産廃収集運搬業|どう判断する?木くずについて具体的な7ケース

ひとことで廃棄物と言っても判断が難しい事がよくあると思います。なぜなら、廃棄物の定義自体が非常に難しいからです。ここでは簡単に触れるだけにとどまりますが、廃棄物の定義は

 

    • 物の性状
    • 排出の状況
    • 通常の取扱形態
    • 取引価値の有無
    • 占有者の意思

によって総合的な判断をする、総合判断説という考え方が元になっています。難しい話は置いておいて、この記事では現場で実際に疑問に感じられることが多い事例を紹介していきます。

目次

木くずの定義

まず最初に産業廃棄物のひとつである、木くずの定義です。

木くず(建設業に係るもの〈工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。〉、木材又は木製品の製造業〈家具の製造業を含む。〉、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット〈パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。〉に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)

カッコ書きが多くて分かりにくいですが、わかりやすく言うと、

    • 建設工事の際にでたもの
    • 木材業者などの事業活動によるもの
    • パレット

が、産業廃棄物としての「木くず」だと言っています。

木くずの廃棄物としての判断例

①家屋をその住人が自ら解体した廃木材

これは産業廃棄物の「木くず」に該当しません。何らかの事業活動にともなって生じているものではないので、産業廃棄物ではありません。この場合は一般廃棄物の扱いになります。

②ダムの管理上、不要として排出された流木

「ダムの管理」は事業活動です。その事業活動によって生じた廃棄物なので産業廃棄物のように思いますが、流木は「木くず」にならないことから一般廃棄物になります。

③造園業者が剪定のために伐採した根や枝

②と同様の理由により一般廃棄物になります。ただし、建物の解体工事のなかで、邪魔になる根や枝を伐採した場合は木くずの定義の中の「建設業に係るもの」にあたり、産業廃棄物の木くずになりますので注意が必要です。

④建設工事に伴い生じた不要な竹

竹は木とは違い、草本植物です。木ではないので一般廃棄物になります。

⑤輸送のために魚や野菜を入れていた木箱

木くずの定義の「貨物の流通のために使用したパレット」や、「パレットへの貨物の積付けのために使用した梱包用の木材」ではないので、一般廃棄物になります。また、パレットの使用を伴わない木枠が不要になったものも一般廃棄物の扱いです。

パレットとは
工場やトラック、倉庫などで荷役作業を扱いやすくするためのもの。フォークリフトやハンドリフトの爪を差し込んで持ち上げて使う。材質は木材でできたもの、プラスチック製のものがある。パレット

 

⑥リース業者が排出した木製の家具などの不要なリース物品

リース業者の事業活動によって出たものですから産業廃棄物の「木くず」です。

ただし、木製のリース物品がリース契約終了後に売買され、その後それを買った人(事業者)から廃棄物として出された場合は物品賃貸業にともなって生じたものではなくなるので一般廃棄物になります。こういうところがややこしいところですので注意してください。

⑦船舶から輸入木材の陸揚げを行うにあたり、その側面から海面に直接放出して引き揚げる場合の海面に浮遊する不要な木材

船から一度海に放り出して、必要な木材だけ引き揚げた時に残った不要の木材ということです。これは卸売業にともなって生じたものであれば船から輸入木材の陸揚げを行った時点で産業廃棄物の「木くず」になります。

参考:お答えします!廃棄物処理

 

まとめ

いかがでしょうか。非常にピンポイントですが、具体的なケースを紹介しました。最終的には同じものでもどうやって排出されたか、誰が排出したかなどによって、産業廃棄物か一般廃棄物かが変わってきます。実際にはよくあるケースというのは稀で、その場で判断を強いられるものも多いと思いますが、是非参考にしてください。

 

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