農業委員会とは
農業委員会は農地法に基づく農地の売買・貸借の許可、農地転用案件についての相談などを中心に農地に関する事務を行う行政委員会で、市町村に置かれています。
ただし、市町村の行政機関ではありますが、市町村長の指揮監督は受けません。
農業委員会の設置
原則として市町村にひとつ設置されます。
しかし以下の例外があります。
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- 農地のない市町村には農業委員会を置かない
- 農地面積が著しく小さい場合は置かないことができる。(設置するかどうかは市町村が選択)
- 農地面積が著しく大きい場合は区域を2以上に分けて、その各地域ごとに農業委員会を置くことが出来る
以上の理由から例えば東京の都心部では農業委員会が設置されていない区域があります。一方、長野県などでは農業委員会が複数設置されています。
全国の設置状況
全国では1742市区町村のうち、1699市区町村で1710の農業委員会が設置されています。
農業委員会を設置している市区町村数・・・1,699
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- 農地面積が設置基準に満たないが設置・・・172
- 区域内に1つ設置・・・1,520
- 区域内に複数設置・・・7
農業委員会を設置していない市区町村数・・・43
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- 農地がない・・・14
- 農地面積が設置基準に満たない・・・29
農林水産省調べ(平成25年10月1日現在)
何をしているところ?
農業委員会の仕事を3つにまとめました。
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- 農地の売買や貸借の許可
- 農地転用案件への意見具申
- 遊休農地の調査・指導
1,農地の売買や貸借の許可
農地の売買や貸借の契約を結んだら事務局に許可を申請します。事務局では申請書を受理して本当に申請書のとおりかどうか、農業委員や職員が農地の状況を確認に、現地調査にいきます。その後、農業委員会の総会が開催され、申請された案件の許可・不許可を決定します。
2,農地転用案件への意見具申など
農業委員会は農地転用に関して1の流れの後、意見書をつけて申請書を知事へ送ります。その後知事が許可・不許可を決定します。
一方、市街化区域での農地転用は総会などの決定がなくても受理できますので、事務局にて受理します。
3,遊休農地の調査・所有者の意向確認
農業委員会は、区域内の農地の利用状況を調査し、農地が遊休化している場合は農地の所有者に対して利用意向を調査し、農地中間管理機構への貸付等を促進します。nn農地パトロールを集中的に実施している地域もあります。
その目的は
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- 地域の農地利用の総点検
- 遊休農地の実態把握と発生防止、解消
- 農地の違反転用発生防止及び早期発見、是正対策
などです。静岡県富士市では9月を農地パトロール月間と設定しています。n
狭小な区画や、排水条件が悪いなどの使いにくい農地を必要に応じて整備したり、借りた農地を借り手が見つかるまでの間、責任をもって管理したりします。
構成は?誰がなれる?
農業委員の選出方法
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- 市町村議会の同意を得て、市町村長が任命する
- 半数以上を原則として認定農業者とする
- 農業者以外で中立な立場の人を1人以上入れる
- 女性、青年も積極的に登用する
構成
定数の上限基準
区分 | ||
(1)次のいずれかの農業委員会 ①農業者の数が1,100以下の農業委員会 ②農地面積が1,300ヘクタール以下の農業委員会 |
推進委員を委託する | 14人 |
推進委員を委託しない | 27人 | |
(2)(1)および(3)以外の農業委員会 | 推進委員を委託する | 19人 |
推進委員を委託しない | 37人 | |
(3)農業者の数が6,000を超え、かつ、農地面積が5,000ヘクタールを超える農業委員会 | 推進委員を委託する | 24人 |
推進委員を委託しない | 47人 |
農業委員会委員19人
農地利用最適化推進委員27人
事務局員数6人
となっています。
まとめ
農業委員会は農地転用の許可をはじめとした、農地関係の手続きのプロの方々です。農地のことで聞きたいことがあったらまずは農業委員会に聞いてみるというスタンスでいいと思います。
一般的には市役所の中にありますので、相談がある場合には一度訪ねてみてください。