農地転用|開発行為とはどういう行為?

最初に分かりにくい条文を書いてしまいますが、

開発行為とは都市計画法で

「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう」

と定められています。

この条文の中でポイントとなるのは

    1. 建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的
    2. 特定工作物
    3. 土地の区画形質の変更

の3点です。

この記事では開発行為とは何かを理解していただくために、この3点について説明していきたいと思います。

目次

建築物の建築の用に供する目的とは

「供する目的」の言い回しがすこし分かりにくいのですが、簡単に言うと建築物を建てるために土地の区画変更をする場合のことです。

例えば土地区画の変更であっても駐車場にすることを目的とする場合には開発行為には該当しません。駐車場は建築物とはいえないからです。

しかし、駐車場にするための造成完了後、相当の期間内に建築物の建築をしようとする場合がありますよね。この場合、それらが一連の行為と判断される場合には開発行為にあたり規制の対象となります。(悪質な場合には監督処分もありえます。)

また、建築の用に供する目的であっても分筆や合筆の登記をすること自体は開発行為には該当しません。

実際に物理的に土地の区画形質を変更しようとする場合に開発行為となります。

特定工作物とは

第1種特定工作物

    • アスファルトプラント・・・(アスファルト、コールタール、木タール、石油蒸留産物やその残りかすを原料とする製造のためにつくる工作物)
    • クラッシャープラント・・・(鉱物、岩石、土砂、コンクリート、アスファルト・コンクリート、硫黄、金属、ガラス、レンガ、陶磁器、骨、貝殻の粉砕で原動機を使用するもののために使う工作物)
    • 危険物の貯蔵又は処理のための工作物(危険物取り扱い数量は問わない)

 

第2種特定工作物

    • ゴルフコース

規模が1ヘクタール(10,000㎡)以上の

    • 野球場
    • テニス場
    • 陸上競技場
    • 遊園地
    • 動物園
    • 墓園
    • その他のレジャー施設

 

少しややこしいのですが、上のゴルフコースとは違い、9,000㎡のテニス場は特定工作物には該当しないということになります。(ゴルフコースは小さくても特定工作物になります。)

なお、そのような工作物でも大学以外の学校施設、港湾環境整備施設、公園は除外されます。

以上のものが特定工作物と定められ、開発行為の対象になっています。

土地の区画形質の変更とは

土地の区画形質の変更を細かく分けると1.「区画」2.「形」3.「質」の3つに分けられ、それぞれの検討が必要になります。

1.「区画」の変更

道路や水路の新設、付け替え、廃止等を行うもの、又は除去もしくは移転によって境界を変更することをいいます。

2.「形」の変更

土地の形状の変更のことをいいます。土地の切土、盛土をともなうもので、現状の地盤の高さを変えて利用する場合です。具体的には

    • 切土の高さ2メートル以上
    • 盛土の高さ1メートル以上
    • 一体的な切盛土の高さ2メートル以上

が対象になります。なお、建築物の基礎工事、土地の掘削行為は「形」の変更には該当しません。

3.「質」の変更

土地の性質の変更のことです。農地等の宅地以外の土地で、主として建築物の建築又は特定工作物の建設のために変更する場合を言います。

上記1、2、3の「区画」「形」「質」の変更のうちいずれか1つ以上に該当して、かつ、下記の面積の土地を造成する場合には開発行為の許可を受けなければなりません。

市街化区域・・・1000平方メートル以上nn市街化調整区域・・・500平方メートル以上n

(静岡県富士市の場合)

 

アイコン 電球上記によりご自身で開発行為の許可不要の判断を行わず、参考までとしてください。ご不明な点がありましたら、位置図・公図写し・計画図等を持参し、土地対策課など、お住まいの自治体の窓口へ必ずご相談ください。

 

事例

開発行為に該当するかの判断

単なる分合筆は開発行為の許可を必要としません。

上でも述べたとおり、建築物の建築自体と分けて考えることは出来ない工事の基礎打ち、土地の掘削等の工事は開発行為に該当しないため、すでに敷地となっている土地において建築物の敷地としての区画を変更しないかぎり、原則として開発行為の許可は不要とされています。

農地などの宅地以外の土地を宅地とした場合は原則として開発行為の許可が必要です。

滑走路造成は開発行為か

建築物の造成を伴わない滑走路の造成は開発行為には該当せず、また、滑走路と一体となっている土地の区域に飛行場の機能を確保する施設や航空保安施設などの建築物を滑走路の造成と同時に建築する場合も開発行為には該当しません。

宅地分譲の方法と開発行為

分譲による宅地購入者がそれぞれ宅地造成を土木建設会社に依頼し、一括して1000平方メートル以上の造成をした場合、購入者が土地を一体のものとして宅地造成を行うのであれば開発行為に該当します。

全体として2700平方メートルの土地を900平方メートルずつ2ヶ月ごとに宅地造成する場合でも、一体のものとして宅地造成をするのであれば開発行為に該当します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

建築物の建築、特定工作物の建設を目的とした土地区画形質の変更のことを開発行為といいます。

また、開発許可権原をもつ市町でそれぞれ定める基準があり、nn「市街化区域では◯◯平方メートル以上、市街化調整区域では△△平方メートル以上の面積を造成する場合は開発行為の許可を受ける必要があります。」などと定められていますのでチェックしてみましょう。役所のホームページに記載されていることも多いようです。

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