農地転用をする目的は皆さんそれぞれあると思います。駐車場にしたいとか、資材置き場にしたいとか、住宅を建てたいとか、用途があると思います。
そんななか、宅地造成だけをするだけの転用は認められるか、が問題になることがあります。
住宅などの建物を建てないで、宅地造成だけの転用を行い、その造成した土地を分譲する事業を宅地造成事業といいます。この記事では、宅地造成事業が認められるかどうかについて、みていきます。
目次
宅地分譲を目的とした農地転用は許可されない
結論から先に申し上げますと、一般的には許可されません。
その理由は、宅地分譲を一般的に認めてしまうと、農地がいわゆる「土地ころがし」の対象とされてしまう恐れがあるからです。
なお、この場合の宅地とは住宅用に限らず、工場用地、その他施設用地のすべてが含まれます。
ちょっと考えてみてください。農地は私達国民に食料を提供してくれるとても大事な土地ですよね。その農地をお金目的のために他のものに転用して一部のお金持ちのお金稼ぎツールとして使用され、減らされ続けたらまずいことになりそうですよね。
言い換えると
売主の立場で宅地造成をするだけの4条転用もできないということです。
通常は売主と買主が申請して5条の許可を得た後に、農地のまま所有権移転登記をします。その後所有権移転登記後に買主が造成工事を行い、住宅などの建築工事を行って、建物完成後にその建物の登記に合わせて農地から宅地へ地目変更登記をするという流れです。
売主&買主申請
↓
5条許可
↓
農地のまま所有権移転登記(売買契約)
↓
買主が造成をおこなう
↓
建築工事
↓
建物完成
↓
建物の登記、農地から宅地へ地目変更登記
↓
5条許可
↓
農地のまま所有権移転登記(売買契約)
↓
買主が造成をおこなう
↓
建築工事
↓
建物完成
↓
建物の登記、農地から宅地へ地目変更登記
転用が認められる場合
農地法施行規則というもので、次のような場合に限り、宅地造成としての転用を認めています。
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- 地方公共団体が行うもの
- 独立行政法人都市再生機構が行うもの
- 国の出資によって設立された法人が行うもの
- 民法の公益法人などが行う事業であって、住宅その他の施設の建設が行われることが確実なもの
簡単に言ってしまいますと、公的な機関が行うものなら認めるということです。一般には認められないということを覚えておきましょう。