産廃収集運搬業|不用品を回収するには何の許可が必要?

もしかするとあなたは、トラックの荷台に壊れた家電品や鉄くずををたくさん積んで、スピーカーで回収を呼びかけながら街中をまわっていませんか。

ご存知の方も多いかもしれませんが、誰でも不用品を回収できるわけではなく、収集運搬しようとする物が廃棄物に該当する場合は許可が必要です。

この記事では何を回収するにはどんな許可が必要なのか、それぞれのケースについて解説していきます。

目次

製品が廃棄物に該当するケース

回収しようとする製品が次のような場合、それは廃棄物に該当します。

    1. 再使用品としては使えない場合
    2. 再使用の目的に適さない、雑な取り扱いがされている場合
    3. 飛散・流出を防止する措置がされていない場合

廃棄物ですから、これらを運ぶ場合には回収業者は市町村の委託、または廃棄物収集運搬業の許可を受けている必要があります。

それでは一つずつみていきます。

1.再使用品として使えない場合

次のようなものは再使用品としての価値が低く、市場性がありません。誰も欲しがらないので再使用品として向きません。

    • 年式が古い
    • 通電しない
    • 破損している
    • リコール対象となっている

2.再使用の目的に適さない、雑な取り扱いがされている場合

いくら正常に動作するようなものも、次のような取り扱いがされたら壊れてしまい、再使用することができなくなってしまいます。

また、観念的なことになりますが、再使用するにしては物への愛が無いので廃棄物として扱っているといえます。

    • 雨ざらしの保管
    • 野外に置きっぱなし
    • 乱雑な積み上げなど

3.飛散・流出を防止する措置がされていない場合

エアコンのフロンガスの回収などの措置をせずに、廃棄物処理基準に適合しない方法で分解や破壊されたもの。

法に触れないことを目的に処分された可能性があります。

不用品と不要品のちがい

以上のような場合に共通して言えることは、もうそれらの製品は不用品だということです。「不用品」とは、もう役に立たない、使えない、壊れている物のことです。

一方、「不要品」とは、使わなくなった物、要らない物のことです。あなたが一度使っただけで必要なくなった物でも、他の人にとってはまだ使える物かもしれません。

どちらも読み方は同じ「ふようひん」ですが、不用品はもう誰も使えないのに対して、不要品はリサイクルできるのです。

ザックリ言ってしまうと、次のようにまとめることができます。

不用品=廃棄物
不要品=有価物

有価物についての廃棄物処理法での解釈の方法は色々ありますが、大きくまとめるとこのようになります。まずは簡単にこのご理解でいいと思います。

回収業者についてはコチラでも記事にしています。
不用品回収業者の無許可営業について。ほんとに安くて良い業者なの?

必要な許可の種類

冒頭で申し上げたとおり、廃棄物を運ぶのには許可が必要ですから、不用品回収業者は許可者でなければいけません。

さらに廃棄物は、一般家庭から排出される一般廃棄物と、事業者から排出される産業廃棄物に分類されます。

一般家庭から回収する場合

軽トラックで街中を周回しながら一般家庭に呼びかけるわけですから、この場合には「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要ということになります。

しかしこの許可を取得することは非常に難しいです。一般廃棄物は市町村の管理となっていますが、どこの市町村でも通常、新規の業者を募集しておりません。

事業者から回収する場合

町の電気店などから依頼を受けて廃家電品を運ぶには「産業廃棄物収集運搬業許可」が必要になります。この許可は要件さえ満たせば取得することができます。

産業廃棄物収集運搬業許可の取得にご興味がある方はコチラもご覧ください。
産業廃棄物に関する許可の全体像%e5%a5%b3%e6%80%a7%e7%a4%be%e5%93%a1a_%e6%8c%87%e7%a4%ba%e6%a3%92_01

家電リサイクル法の適用をうける4つの家電製品

また、電気店からの回収には許可以外にも気をつけなければいけないことがあります。

よく見かける光景では、軽トラックの荷台に多くの家電製品が目立ちます。家電品の中でも、次の4製品は適正な手段で分解を行い、リサイクルを行うことが法律で定められています。

    1. エアコン
    2. テレビ(液晶・プラズマを含む)
    3. 冷蔵庫
    4. 洗濯機・衣類乾燥機

これらの4種の家電製品は、廃棄する人がそれを購入したお店か、新しく買い替える製品を購入するお店に引き取りを依頼することができます。インターネットで買ったものも同様ですが、お店によって引き取り方が異なります。%e3%83%aa%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%82%af%e3%83%ab

排出する家庭から指定引取場所への収集運搬に費用がかかります。ここが回収業者の出番となるところです。

繰り返しになりますが、町の電気店から依頼を受けて家電品を運ぶには産業廃棄物収集運搬業許可が必要になります。

さらに上記の4製品は家電リサイクル法の適用となっていますので、指定引取場所からの運搬とリサイクルプラントでの費用として、リサイクル料金という費用も発生します。

なぜ許可が必要なのか

廃品回収と宣伝した場合はもちろん、不用品回収で回収する物は、はっきり言って殆どが廃棄物だと思います。廃棄物を運搬するには許可が必要です。

「なぜ許可が必要なのか、みんな無許可でやっているじゃないか!」

と、感じるかもしれません。

しかし、ちょっと考えてみてください。許可制にしなければ、知識のない人が自分なりに適当に廃棄物を処理しようとします。儲かる方法だけに引っ張られ、後のことは知らん顔です。

いまゴミ問題は深刻化しています。不法投棄や不適正処理での環境破壊や、ゴチャゴチャに混ぜて放置しただけの廃棄物の管理は発火、延焼の危険性があり、火災に発展します。

仕事として回収をやっているのですからお金儲けはもちろん大切ですが、法律はみんなが守るためにあるものです。

どうか許可の取得を前向きに検討していただきたいと思います。

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