廃棄物のことをわかりにくくしているのはコレ!事業系一般廃棄物

みなさんの会社ではゴミはどうしていますか?ゴミの日に近くの集積場まで持って行きますか?それとも契約した業者が収集してくれていますか?

ダンボールや書類、ビニール袋、ペットボトル、インスタントコーヒーが入っていたビン、お昼に食べたカップラーメンの空容器など、工場やオフィス、店舗などの形態に関係なく、大体どの会社でもこれらのゴミは出るのではないでしょうか。

一般家庭から出るようなゴミと同じだから自治体で回収してくれるだろうと思ったら、「これは事業系ゴミだからダメですよ」と持って行ってもらえなかったような経験はないでしょうか。

一般家庭から出した場合と会社から出した場合で、同じ種類のゴミなのに対応が違ったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ココ、よくわかりませんよね。

今回はこのように廃棄物の区分をわかりにくくしている、事業系一般廃棄物について説明していきます。

非常にややこしいテーマなのですが、必要な部分だけわかりやすく解説していきますので、どうか最後までおつきあいいただけたらと思います。

目次

ゴミの種類

ゴミ(廃棄物)は大きく分けると「産業廃棄物」と「一般廃棄物」の2種類に分けられます。nnさらに産業廃棄物の中には毒、爆発、感染などの恐れがある特別管理産業廃棄物が分類されます。

廃棄物種類

一般廃棄物は「事業系一般廃棄物」と「家庭系一般廃棄物」と「特別管理一般廃棄物」に分けられます。特別管理一般廃棄物のことはココでは置いておくとして、廃棄物の事をわかりにくくしているのが先程もいいました、事業系一般廃棄物です。

廃棄物のことをまとめている、廃棄物処理法の目的は、本来「日常生活で出る一般廃棄物」と「事業活動から出る産業廃棄物」をきちんと分けて、責任と処理の体系を整備することでした。

もしそれができていれば、

    1. 事業活動によって生じる廃棄物=産業廃棄物
    2. 家庭から出る廃棄物=一般廃棄物

の2通りですっきり明確に区分できたはずでしたが、何らかの理由によって本当は産業廃棄物となるはずの「ゴミ」が一般廃棄物に組み込まれてしまったというのです。

このため、会社や工場から出るゴミには産業廃棄物もあれば一般廃棄物もあるという分かりにくい事態になってしまっているのです。

用語の説明

事業系一般廃棄物について理解していただくためには、申し訳ありませんが、最初にいくつか用語の意味を覚えてください。それはこの3つです。

    1. 産業廃棄物 
    2. 事業活動
    3. 一般廃棄物

それぞれ簡単に説明していきます。

1.産業廃棄物

産業廃棄物とは事業活動にともなって生じる、法律で定められた20種類のもののことです。表をざっとみてください。

(A)すべての業種で該当する産業廃棄物

[table id=11 /]

(B)業種指定のある産業廃棄物

[table id=12 /]

全ての業種で該当する産業廃棄物13品目(A)と、業種指定のある産業廃棄物7品目(B)があることをちょっと覚えておいてください。

2.「事業活動」にともなうとは

「事業活動」には製造業、流通業、サービス業、学校、役所、病院などはもちろん、NPO法人が行っている活動も全て含みます。

何が言いたいかといいますと、事業活動=営利活動ではないということです。また、法人かどうかは関係ありませんので、個人事業者も対象になります。

事業活動の範囲

事業活動には本来の業務のほか、付帯している業務も含みます。

例えば、製造工場はモノを製造するのが本来の業務ですが、そのための原材料をトラックで運搬する業務もありますよね。

この運搬中も事業活動の範囲ということです。もっと言いますと、運搬中にでた廃棄物は産業廃棄物ということになります。

いちばん問題となるのは
事業活動とは直接は関係ないものの、事業場から発生するものです。従業員が食べたカップラーメンの容器(廃プラスチック)や、空き缶(金属くず)が事業活動に当たるかどうかは判断に迷う場合があります。その場合は個別な判断となりますので、具体的な取り扱いは役所に相談をお願いします。

3.一般廃棄物

これは一番簡単です。

産業廃棄物以外のものが一般廃棄物です。上記の表にないものや、事業活動にともなわないものは全て一般廃棄物です。もちろん家庭から出るものは全て一般廃棄物です。

事業系一般廃棄物とは

ようやくここまでたどり着きました。

上記(B)の表の7品目は産業廃棄物のグループですが、実は「①特定の業種」の「②特定工程」から出る場合にのみ産業廃棄物となり、それ以外の事業活動にともなって出る場合は同じものでも一般廃棄物となります。

これが事業系一般廃棄物の正体です。

①特定の業種

例えば、紙くずは製紙業、出版業などが特定業種とされています。ですから製紙工場、出版工場からでる紙くずは産業廃棄物です。

おなじ工場でも、パン工場からでた紙くずは、製パン業が特定業種と関係ないので事業系一般廃棄物となります。

②特定の行程

同じ製紙業の紙くずでも、工場からでたものは産業廃棄物で、本社業務だけを行うオフィスからでたものは事業系一般廃棄物です。

許可業者に処理をお願いしましょう。

事業系一般廃棄物はその名の通り、事業系のゴミです。

事業者は自らの責任でゴミを処理しなければならない「排出事業者責任」というものを負っていますので、行政サービスである家庭ごみの集積所にゴミを捨てることはできません。一般廃棄物の収集運搬許可を持つ業者に委託しましょう。

もしくは自分でクリーンセンター等に持ち込むこともできます。その場合はきちんと分別しましょう。

廃棄物のことをわかりにくくしているのはコレ!事業系一般廃棄物まとめ

おわかりいただけたでしょうか。

同じ廃棄物でも排出する事業者によって一般廃棄物になる場合と、産業廃棄物になる場合があります。

また、同じ事業者でも行程が違えばそこでも区分けされます。

特定の7品目は、特定の事業者、特定の行程から出た場合のみ産業廃棄物となります。それ以外は一般廃棄物です。指定業種以外の「事業者」が出す「一般廃棄物」なので、「事業系一般廃棄物」となるのです。

是非参考にしてください。

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