産廃収集運搬業許可|古物商許可と産廃業許可ってどんな関係?

あなたは産業廃棄物収集運搬業を始めるときに、古物商許可もとっておくといいよ、と聞いたことはないでしょうか。産廃業と古物商。扱うサービスは廃棄物の処理と古物の売買。ちょっとかけ離れている感じもしますが、実は密接な関係です。

この記事では、この2つの許可の関係について詳しくみていきたいと思います。

これから産廃収集運搬業の許可を取ろうとする方には必見です。

目次

なぜ2つの許可があるといいのか。

産業廃棄物を排出する事業所はその処理費用を少しでも削減したいと考えています。ゴチャゴチャに混ざっている廃棄物の中には

    • 金属くず
    • 廃プラスチック
    • 紙類

など、有価物化できるかもしれないものが眠っている可能性があります。

排出事業者において廃棄物置き場でこれらを整理整頓、きちんと分別することができれば、有価物は古物業者に売ることができ、多少なりとも処理費用の削減につながるのです。

分別するのに手間が増えることにはなりますが、これは廃棄物量の削減ですから環境にもやさしいという効果もあります。今の時代、環境やリサイクルへの目標を持っている企業は多くなってきていますので、検討してもらえる価値があるはずです。

古物商許可を活かす方法

上記の事を踏まえて、収集運搬業を営むあなたは次のことを実行したら良いのではないでしょうか。

    1. 顧客である排出事業者に産業廃棄物を分別してもらう。
    2. 廃棄物収集時に分別された有価物を買い取る。
    3. その有価物を必要とする業者に売る。

排出事業者側も、収集運搬業者側も無駄なく同時に利益を得ることができる、いわゆるウィン−ウィンの関係になれるのではないでしょうか。

これをするのには古物商許可が必要ということになるのです。

有価物とは・・・
実は「有価物とはこういうものである」というように明確には定義されていません。
ひとつ言えるのは、「有価物とは廃棄物ではないもの」ということです。廃棄物ではないため廃棄物処理法の範囲外とされ、マニフェストや委託契約書などを必要としないので、その物が有価物と判断されるのはメリットと取ることができます。
それを逆手に取ってリサイクル名目の脱法行為が考え出されいわゆるグレーゾーンの部分で運用されている事も事実です。

 

古物商とは

古物商(こぶつしょう)とは古物営業法という法律で定められた「古物」を、売買または交換する事を仕事としている業者・個人のことです。最後の商というのは商人という意味ですね。

古物とは

それでは古物とはどういうものとして定められているでしょうか。次のようにまとめることができます。

    • 一度以上使用された物品
    • 使用されていない物品で使用のために取引されたもの

私たち一般の消費者がその物を「使う目的」でお店から購入したものは、実際に使ったかどうかを問わずに古物とされます。

ポイントは「消費者が」という点です。

では反対に消費者ではない場合というのは、業者の場合です。元売り・卸売・小売などの流通段階における業者はそのものを購入し、売却するという取引をしますが、それは通常、「使う目的」の取引ではありません。よって、この場合は古物にあたりません。

なぜ許可がいるのか。法律の背景(古物営業法)

古物を買い取るとなると、どうしても窃盗品が気がかりになります。どこかからモノを盗み出した犯人は、そのモノ自体が必要な場合を除いて、スグに現金に換えたいと思うはずです。

そんなとき、古物商が安々と盗品を買い受け現金化させてしまうと、犯罪を助長するおそれがあります。そのような事態を防止するため、また、被害品の早期発見のため、古物を取り扱うのに許可制度があるのです。

具体的には

買い取った際に

    • 取引の年月日
    • 古物の品目、数量
    • 古物の特徴
    • 住所・氏名・職業・年齢
    • 本人確認方法

などを台帳に記録することにより盗品などを買い取ることをあらかじめ防いでいます。

産廃収集運搬業許可|古物商許可と産廃業許可ってどんな関係? まとめ

廃棄物収集運搬業者が古物商許可を持っていることのメリットは、普段多くの廃棄物と接していることです。もしかしたらそこには宝が埋もれているかもしれません。

有価物は奥の深いテーマですが、本当に価値のある物であるならば、排出事業者と協議してお互いの事業の繁栄、環境の改善につなげることができるかもしれません。

ただし、産業廃棄物として出されたものから勝手に使えそうなものを持ち出すのは法律に触れてしまいますので注意しましょう。

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