建設業許可|個人事業主、経営経験5年未満で建設業許可申請の見込みは?

元請業者から、「そろそろ建設業許可を取ってもらいたい」と言われている個人事業主の方。そうは言われても、はたして自分が申請できる状態なのかどうかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。

無事、許可を取った周りの個人事業主からいろいろ話を聞いてみても、自社との状況が違えばいまいちピンとこないかもしれません。

ここでは、経営経験5年未満の個人事業主がどうすれば経営業務の管理責任者の要件を満たすことができるのかについて見ていきます。

目次

経営業務の管理責任者とは

略して「ケイカン(経管)」と言われる経営業務の管理責任者になるには、

「経営取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理した経験」

が一定年数あることが必要です。

簡単に言うと、過去に建設業をおこなう個人事業主建設会社の役員での経験が一定年数ありますか。ということです。

一定年数とは何年かというと、許可を受けようとする業種に関しての経験であれば5年以上、それ以外の業種に関しての経験であれば6年以上必要になります。

個人事業主の場合は、その本人または支配人のうちの一人が、その経験を有していなければなりません。

ここでいう「支配人」ですが、商法第22条での定義は以下のとおりです。

・営業主に代わって、その営業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有する使用人をいう

また、商業登記法上の支配人登記がされていることも必要となりますが、おそらく建設業で支配人登記をしているケースはあまりないと思われます。

もしご子息等が将来、今の事業を継いだり、独立して建設業をやるという予定があるのであれば、今のうちに支配人登記することをオススメします。
支配人登記しておけば、5年後にはご子息が経管の要件を満たすので、スムーズに許可を取れる可能性が高いです。

少し話がズレましたが、支配人登記しているというパターンはあまり考えられませんので、ここでは事業主本人が経管となる場合について話を進めていきたいと思います。

経営経験が5年もないんだけど

個人事業をはじめてまだ5年未満だから経管の要件を満たせそうもない、という場合はどうすれば建設業許可の申請ができるようになるでしょうか。

いくつかパターンが考えられますが、申請するまでの期間が短い順に説明したいと思います。

  1. 前職が建設業に関わる会社で常勤の役員だった場合
  2. 近々法人化を考えている場合
  3. 時が経つのを待つ!

1.前職が建設業の会社で常勤の役員だった場合

個人事業をはじめてからの期間と、前職での常勤の役員だった期間が通算で5年または6年あるならば、両方の経験を証明する書類をそろえることで経管となることができます。

2.近々法人化を考えている場合

経管の要件をすでに満たしている人を常勤の役員として迎え入れて法人化することで、その人を経管として法人の建設業許可を取ることができます。

将来的に、ご自身が経管の要件を満たすことができたなら、その時に経管を交代することもできます。

3.時が経つのを待つ!

上記の1.のような経験もないし、2.のようなあてもない場合は、残念ながら時が経つのを待つしかありません。

許可を受けようとする業種であれば経営経験が5年、それ以外の業種であれば6年となるまで元請業者には待ってもらいましょう。こればかりは、それ以外にどうしようもありません。

時間の経過を待つときに気をつけることをこちらの記事にまとめています。

まとめ

経営業務の管理責任者になるには、少なくとも5年以上の建設業の経営経験が必要となります。

本来は、その期間を経過するしかそれを満たす方法はないのですが、個人事業主本人が経管になることにこだわらないのであれば、要件を満たしている人を探して、その人を常勤の役員とする会社を立ちあげるという方法も考えられます。

個人事業をはじめる前に、建設業の会社で常勤役員としての経験があるのならば、その経験も使えます。

ただ、その期間分の証明を書面でする必要があるので、集める資料によりますが、前会社に多少の協力がお願いできるかどうかにもかかってきます。

そろえるべき資料については、個々の状況により異なりますので、当事務所にご相談いただければと思います。

ご参考になさってください。

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