産業廃棄物収集運搬|どうする!?PCB運搬緊急時の対策方法

産業廃棄物には一般の産業廃棄物と特別産業廃棄物があります。そして特別管理産業廃棄物の中にはPCB廃棄物があります。その名前から、特別に管理するということですから危険な廃棄物ということに間違いはありません。

ということは、もし万が一、危険なPCB廃棄物を収集運搬している時に緊急事態が発生したら・・・パニックになってしまいますよね。そんな時のために、どのように行動したらいいのかをあらかじめ決めておく必要があります。

この記事ではPCB廃棄物運搬中の緊急時の対応について説明してきます。

目次

どのように危険なのか

まずは、PCBがどういうものなのかを知りましょう。

PCBには毒性があります。脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的に摂取することにより体内に少しずつ蓄積して様々な症状を引き起こす事がわかっています。その症状とは、

    • ニキビのような吹き出物
    • 目や口の粘膜異常
    • 倦怠感
    • 手足のしびれ
    • 気管支炎
    • 貧血症状

などです。このように人体に有毒なものですが、急性な毒性は低いです。PCBは長期的または大量に摂取することで影響を受ける種類の毒です。安心は禁物ですが、慌てないようにしましょう。

PCBについてはこちらでも解説しています。
⇒ PCB(ぴーしーびー)廃棄物の処理にかかる全体像

もし起こってしまったら・・・緊急時の措置

もしも緊急事態が発生した場合には、後述する緊急時対応マニュアルに基づいて応急措置、防災対策をしてください。

関係機関に通報

運搬車を安全な場所に止め、作業を中止して応急措置を行い、付近の人に警告をしましょう。消防署、警察に連絡をしてその指示に従います。

流出・飛散の防止

保護メガネ・マスク・保護手袋などを着用して、流出した廃PCB等を吸着マット・吸収材・ウエス・土砂等に吸収させ、拭き取り、密閉できる容器に回収しましょう。

消火

消火器などを使用し、消火します。消火用泡などが流出しないよう注意し、後で適切に処理できるようにしましょう。

事故の未然防止

そもそも事故というものはいつ起こるか分かりませんよね。また、自分が気をつけていても他の要因などで起こるものが事故だとも言えます。次のような、未然に防げることはやっておいたほうがいいでしょう。

    • 漏れ出さないようにする
    • 揮発するのを防ぐ
    • 高温にさらされないようにする
    • 腐食しないようにする
    • 火災防止
    • 盗難紛失防止

運搬車を運転する人は、交通状況に応じて運搬中のPCB廃棄物に衝撃を与えたり、転倒させたり、漏洩させたりすることがないような速度と方法で運転しましょう。もちろん、安全運転でお願いします。

車両には保護衣、吸収剤、消火器などの応急措置設備を常備しましょう。

応急措置設備・器具リスト

保護衣 化学防護服
保護手袋 耐油性、耐摩耗性
保護長靴 耐油性、つま先鉄板入り
保護メガネ ゴーグルタイプ
流出・飛散防止用具 吸着マット、吸収材、ウエス、土砂
回収用具 シャベル、オープンドラム缶
消火設備 粉末消火器、泡消火器
連絡設備・器具 携帯電話、無線、GPS
呼吸用保護具 ろ過式マスク、吸気式マスク
緊急時対応マニュアル 緊急連絡網など

 

環境省資料より抜粋

安全管理責任者は、緊急時対応マニュアルを作成し、収集運搬車に携行させることが必要です。

緊急時対応マニュアル

緊急時対応マニュアル

低濃度PCB廃棄物収集運搬ガイドラインより抜粋

緊急連絡先

収集運搬を行う場合には緊急時に関係者に対して速やかに通報し、その被害を最小限とするための対策ができるように、あらかじめ都道府県担当部局・消防署・警察署などと協議し、必要な緊急連絡体制を整備しておかなければなりません。

    1. 運転者は消防、警察、安全管理責任者に通報する。
    2. 通報を受けた安全管理責任者は定められた緊急連絡網を使い、都道府県の環境部局・保管事業者・処分業者などに連絡する。
    3. 都道府県環境部局は、関係部局・市町村・関係都道府県に連絡する。

産業廃棄物収集運搬|どうする!?PCB運搬緊急時の対策方法まとめ

n繰り返しになりますが、PCBは即効性のある毒ではありません。硫酸やサリンなどとは違います。万が一の時にもこのことを知っておくだけで慌てずに済むのではないでしょうか。nnどうか出来る準備は全ておこなって収集運搬にあたるようにしてください。備えがしっかりしていれば安心でき、冷静さを保てるはずです。是非参考にしてください。nn nn nn

よかったらシェアしてね!
目次