産廃収集運搬|最終処分場の概要。ちょっと考えてみよう埋立地

廃棄物の最終処分場とは簡単にいってしまうと、ゴミの埋立地のことです。つまり、ごみの処分の最終的な手段は埋めてしまうことなのです。

私はこれを初めて知った時にはとても驚き、ショックを受けました。科学の発達した現在の日本で、それはあまりにも原始的な方法だと思ったからです。

しかし、ほとんどのゴミは最終処分場に直行するわけではないことを知った時に安心しました。

ここでは、私たちの生活と切っても切れない関係のゴミ(廃棄物)の向かう終着駅である、最終処分場について解説していきます。

目次

最終処分場とは

廃棄物のうち、再利用やリサイクルが出来ないものを処分するための施設です。廃棄物処理法に定められた基準によって設置され、廃棄物を埋め立て処理します。以下の2つの機能をもっています。

    1. 廃棄物の貯留機能
    2. 廃棄物の安定化、無害化を図る浄化機能

なお、放射性廃棄物は廃棄物処理法の対象とはなっていないため、埋め立てられることは一切ありません。

3つの種類

廃棄物処理法に定められた廃棄物の種類によって、処分場の種類も規定されています。次の3種類です。

    1. 安定型
    2. 管理型
    3. 遮断型

1.安定型

安定型最終処分場ではそのまま土に埋め立てても成分の溶出などが起こらす、雨水等にさらされてもほとんど変化しない「安定型産業廃棄物」が埋め立て処分されます。以下の6種類のみが該当します。

    • 廃プラスチック類
    • ゴムくず
    • 金属くず
    • ガラスくず
    • コンクリートくず・陶磁器くず
    • がれき類

これらは性質は安定しているので埋め立てても腐敗したり、汚水が発生したりしませんが、飛散・流出することはあり得ますので、安定型最終処分場はそのようなことがない構造に設計されていなければなりません。

日本にある最終処分場の6割はこの安定型タイプです。

2.管理型

管理型最終処分場では、木くず、汚泥、燃え殻、動物の死体などが埋め立てられます。これらは腐敗するものや汚水を発生させる廃棄物です。

埋め立てた廃棄物の中を通って染み出す雨水が地下水などに影響を与えないように、処分場の底に遮水シートが敷かれていて、水処理施設も設置されています。埋め立て終了後も維持管理が必要になる処分場です。

3.遮断型

遮断型最終処分場では、重金属や有害な化学物質などの有害物質を含んだ廃棄物が埋め立てられます。

これらは安定化するまでに長い期間が必要になるため、耐水性・耐蝕性のある材料で外周仕切設備・内周仕切設備を設けるなど、厳重な構造設置基準が定められています。具体的には、埋め立て箇所はコンクリートで作られていて、その上部は雨が入ることのないように屋根で覆われている必要があるということです。

これらの廃棄物が無害化することはないので、処分場と外界とを永久に遮断するように管理する必要があります。

チェック体制

最終処分場には搬入される廃棄物の質や量をチェックする搬入管理施設が設けられています。

管理棟では廃棄物の計量・料金徴収・埋立地管理などが行われ、廃棄物の分析室や搬入物のサンプル保管庫などが設けられていることがあります。

また、トラックスケールなどの計量設備で搬入車両を計量します。

問題点とまとめ

現代の私たちの暮らしにおいてゴミは必ず出るものであり、ドンドン処理をしていかなければなりません。

いつか科学が進歩して、どんな廃棄物でも100%リサイクル出来るような世の中にならない限り、最終処分場は必要不可欠な施設です。

処分場には受け入れる容積に限界があり、次の処分場をつくる土地にも限界があります。また、都会にはなかなかつくる事ができないので、地方に負担のシワ寄せが来ることも問題となっています。

私たちにできることは、せめて今ある施設を最大限有効に利用することです。なるべく将来の世代のために、科学が進歩するまでの時間稼ぎをしなければならないと思うのです。

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