静岡県建設業許可|自分で書類集め【個人事業主】経管と専技兼任
ひょっとしてあなたは今、建設業の許可を取りたいとお考えですね。
さらには、できるならば申請も全部自分でやって許可を取ってみたいとお考えなのだと思います。
あえて最初に言ってしまいますが、じつは、建設業の許可の提出書類は膨大な量を揃えなければならないことで有名です。
また、役所に備え付けの用紙の空欄をただ埋めればそれで終わりかといえば、そういうものでもありません。
一つ一つの空欄の記入について、「なぜそう言えるのか」「本当にそうなのか」という行政からの質問に答えられるように、すべての事柄について書面で証明する必要があります。
そのためにはまず、許可申請書を書く前の準備段階として、たくさんの書類を集めるところからスタートしなければなりません。
ここでは、次のような方が自分で申請する場合の書類の集め方について説明していきます。
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- 個人事業主
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- 個人事業主が経営業務の管理責任者と事業所の専任技術者を兼任
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- 専任技術者は資格なし、10年以上の実務経験あり
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- 実務経験の証明は請求書と通帳
申請書類の作り方については、ただいま製作中です。
自分で申請書類を作って申請しようとする方の心強い味方になれるよう、私が持っているすべての情報を公開していきます。
大変に長い記事ですが、これができれば申請まであと少しです。
ぜひ頑張ってみてください!
まず、申請の前に確認したいこと
近々、法人化する予定はありませんか?
個人事業主として取った許可は残念ながら法人には引き継げません。新規に取り直しとなります。そうなると手間とお金が余分にかかることになってしまいます。
もし法人化を考えているようでしたら、建設業許可を取る前に法人化してしまいましょう。
申請するためにするべきこと
あなたが、クリアすべき条件をすべてクリアしているという前提で話を進めていきます。
これならいける!許可取得のための5つの要件とは
申請をするためには
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- 申請書に入力するための資料となる書類や添付書類として提出するための書類を集める
- 申請書に必要事項を入力して仕上げる
という、大きく分けて二つの作業が必要になりますが、ここでは1.の書類を集める時に気をつける事について説明していきます。
また、都道府県により取扱いに違いがあります。静岡県についての説明になるので、他府県の場合は参考程度にお願いします。
経営業務の管理責任者(略して「経管」)の書類集め
経管になる人の
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- 住民票(県内に住民登録がある場合は不要。でも、持参すると窓口での時間短縮になります。)
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- 国民健康保険被保険者証の写し
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- 所得証明書(5年分)
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- 請求書と通帳(5年分)〈原本提示〉
以上のものを集めます。
住民登録が静岡県内にある方がほとんどかと思いますので、通常は住民票は必要ありません。また、国民健康保険以外の方でも、お持ちの健康保険被保険者証の写しを提出しましょう。
所得証明書(5年分)
ここでは、取りたい業種の建設業について自営での経験が5年以上ある場合の説明をします。
この所得証明書を見て、「営業所得」のみであることを確認することでその期間の個人事業主としての地位と常勤性を証明することができます。証明したい期間分の所得証明書を準備しましょう。
所得証明書は市役所で発行してもらえますが、市町村によっては過去5年間分しか交付できない場合があります。
所得証明書ってどんな書類?どこでとればいいの?
5年分の所得証明書があればいいので、問題ない方が多いと思いますが、それ以前の所得証明書が必要な場合は交付してもらえない期間の「所得税確定申告書(B)」の控えの写しを必要年数分提出します。
なお、この控えが手元にない場合でも、税務署において写しの開示請求をすることができます。開示請求で写しの交付がされるまで、30日ほどかかりますので早めに手続きをしましょう。
5年分の請求書と通帳
許可を取りたい業種の工事について、5年間の経営経験が必要になります。
その請負実績を証明するために請求書および通帳を提出します。請求書とは御社が発行している請求書です。請求金額の大小は関係ありません。
ここでは『経管と専技が同一人物。実務経験で専技になる』ということなので、専技の証明書類についてはあとで説明しますが、最終的には5年分ではなく10年分の請求書と通帳が必要になってきます。
また、ここでは請求書と通帳のセットで証明する場合について説明していますが、契約書や注文書のやりとりをしているのであれば、それらを証明資料として提出することもできます。
どの場合も申請の際に原本提示しますので、提出用のコピーを一部とって原本も忘れずに持って行きましょう。
5年分の請求書といっても全ての請求書を出さなければいけないわけではありません。
静岡県では、1年につき1件の提出でOKです。が、間が1年以上あいてしまうとその期間は工事をしていなかったとみなされてしまうので、直近のものから11ヵ月程度でうまくさかのぼっていけば、提出する請求書の枚数が一番少なくてすむことになります。
もちろん、11ヵ月ずつうまくさかのぼっていくのが難しいのなら、枚数は増えますがもっと短い間隔でさかのぼっていっても大丈夫です。ポイントは1年以上間があかないように、です。
請求書の内容についてですが、工事内容がはっきりとわかるようなものの提出が求められます。取りたい業種の工事を確かにやってきたのかというところが焦点になります。
請求書だけでは工事の内容がはっきりとわからない場合には、追加の書類を提出するようにいわれます。
請求書を見ただけでは工事内容がわからないかも。。。と不安な場合には、見積書や明細書などもあわせて出せるように用意しておくといいでしょう。
なお、建築一式工事の請負経験を証明する場合は、「確認済証」又は「検査済証」(いずれも「交付証明書」で可)を添付します。
この「請求書」についてですが、手書きでもパソコン入力のものでも構いませんが、必ず原本を提示しなくてはいけません。
パソコン入力のもので紙媒体で保管していない場合には、原本提示ができないのでパソコン内に保存してあるデータを印刷して原本証明をする必要があります。
また、ここでは通帳を提出する場合で話をすすめていますが、通帳がなくても金融機関に発行してもらった預金取引明細票でも大丈夫です。
金融機関によっては発行するまでに時間がかかる場合もあるようですので、早めに問い合わせたほうがいいでしょう。
領収書ではだめ?
残念ながら、領収書は証明の資料としては使用できません。請求書も領収書も自分から出すものなので、極端に言えば新たに作ることもできてしまうからです。
だから、必ず第三者機関が発行したものが必要になるのです。「通帳」や「預金取引明細票」などの第三者機関が発行したものと請求書をセットにすることではじめて証明の資料として使えることになります。
請求書のあて先と金額について、通帳または預金取引明細票で確認できる事が重要です。
取引先によっては、工事1件ずつではなく、月ごとの総額や複数の工事について合算して入金されている場合もあると思いますが、その場合は通帳または預金取引明細票の金額に見合うように請求書を何通か出す必要があります。
例えば、通帳に30万円の入金が記録されている場合に、1件10万円の工事の請求書を3枚出す、というようにです。
注)その他注意事項
1.経験期間における地位、常勤性、経験業種・請負実績を証明する書類については、それぞれ証明期間が一致し、必要経験期間分提出することが必要です。
2.「見積書」や「明細書」「発注証明書」のみでは認められません。
3.内容が不明確な場合や疑義がある場合は「見積書」「仕様書」または図面等の補強資料の提出が求められます。
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営業所の専任技術者(略して「専技」)の書類集め
専技になれる人には、以下の4パターンがあります。
- 取りたい業種の指定学科卒業+3~5年の実務経験
- 取りたい業種の建設工事について10年以上の実務経験がある
- 一定の国家資格等をもっている
- 大臣認定者
なかでも2.か3.の人がほとんどかと思います。
ここでは、2.の10年以上の実務経験で専技になる場合の書類集めについて説明します。
今回説明しているように個人事業主で経管と専技を兼任する場合、証明のために集める資料は前述の経管のものと重複する部分がほとんどです。
請負実績を証明するための資料としての請求書および入金の事実を証明するものが5年分だけでなく10年分必要になり、実務経験期間の在籍を証明する所得証明書も10年分必要になるというだけです。
取りたい業種の建設工事について10年以上の実務経験があることを証明する書類
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- 住民票(県内に住民登録がある場合は不要。でも、あれば窓口で時間短縮に。)
- 国民健康保険被保険者証の写し
- 所得証明書(10年分)
- 証明したい期間分の請求書および通帳(10年分)〈原本提示〉
内容については、上記の経管の書類集めのところで説明したとおりです。「所得証明書」と「請求書と通帳」が10年分必要になります。
所得証明書(10年分)
経管のところでも説明しましたが、市町村によっては5年分しか所得証明書が取れない場合があります。その場合は、必要な年度の所得税確定申告書の「第一表」・「第二表」・および「決算書」の写しを提出します。
もし、確定申告書の控えを保管していない場合には、税務署に開示請求をして写しを交付してもらいましょう。交付してもらえるまで日数がかかりますので、早めに手続きをしましょう。一年度分につき300円の手数料がかかります。
また、税務署での保存期間を経過するとこの写しの交付をしてもらえない場合があります。その場合には「厚生年金被保険者記録照会回答票」または「厚生年金加入期間証明書」の写しを提出します。
その他の集めるべき書類
経管、専技の証明書類の他に集める書類は、以下のようになります。n
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- 個人事業税納税証明書
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- 登記されていないことの証明書
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- 身分証明書
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- 労働保険料納入通知書および領収書の各写し(直近のもの)
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- 事業所に関する書類
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- 事業所の写真(事業所の全景、入口、内部)
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- 従業員に国家資格者がいる場合、その資格証明書の原本
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- 印鑑証明書の写し
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- 残高証明書または融資証明書
それではひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
個人事業税納税証明書
納税証明書は、静岡県内に8か所ある財務事務所のどこでも交付が受けられます。
登記されていないことの証明書
⇒登記されていないことの証明書のとり方が3分でわかる!
身分証明書
申請書類の中に本籍を記入するところがありますが、この身分証明書に本籍が載っているので、それをよく見て記入しましょう。
労働保険料等納入通知書および領収書の各写し(直近のもの)
一人親方等の個人事業主の方は雇用保険には加入できませんが、従業員を雇っている場合は雇用保険に加入していると思います。
雇用保険の加入状況を確認するために、労働保険料等納入通知書の写しおよび直近の領収書の写しを提出します。提出する申請書類の中に労働保険番号を記載するところがあります。
労働保険番号は14ケタの数字ですが、静岡県の事業所であれば「223」から始まる数字になっていると思います。A4サイズの労働保険料納入通知書の右上の方に労働保険番号が記載されていますので、確認しましょう。
また、労働保険料の納入の仕方によっては上記とは異なる書類を提出することになりますが、手引きなどでご確認ください。
事業所に関する書類
2020年4月より不要になりました
事業所が自己所有なのか賃貸なのかで用意する書類が異なります。
事業所が自己所有の場合は、その建物の登記事項証明書が必要です。登記事項証明書を取った時に所有者が自身の名前になっていることを確認しましょう。
事業所が賃貸の場合は、次のどちらかの書類を用意しましょう。
賃貸借契約書の写し
賃貸借期間が自動継続になっていて、現時点での賃貸借期間が契約書で確認できない場合には、直近3か月の賃借料支払が確認できるもの(払込明細書等)もあわせて提出します。
賃貸借契約書の使用目的が住居用に限定されている場合や営業を禁止されている場合は、貸主の使用承諾書(使用目的が事務所となっているもの)もあわせて提出します。
賃貸借契約書がない場合
その建物の登記事項証明書および使用承諾書または使用貸借契約書。建物の所有者の方に使用承諾書への押印をお願いしましょう。使用承諾書のひな形は、こちら ⇒ 建物使用承諾書〈建設業〉
事業所の写真
提出する写真の撮影方法は決まっています。
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- 営業所の外観
- 営業所の入口部分
- 営業所の内部
以上の3か所の写真が必要になりますが、それぞれ撮影のポイントがあります。
1.の営業所の外観については、建物の全景が入るように撮りましょう。
営業所がビル内等にある場合は、建物の入口部分とテナント表示もしくは集合郵便受けの写真も撮りましょう。郵便受けについては、商号等が判読できることが重要です。
もし郵便受けに何の表示もないようなら、写真撮影の前に商号がわかるようにプレートをつけるなどしましょう。
2.の営業所入口部分の写真について、入口部分に商号等の掲示があることが重要です。なにかしら商号等の表示はあるはずだと思いますが、ない場合はこの際看板などを取付けましょう。
建設業の許可がめでたく取れたら、この入口部分に許可標識を掲げることになります。
3.の営業所の内部については、何枚か撮る必要があります。
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- 執務室内の概要がわかるように、部屋の4隅から撮影しましょう。4枚撮ることになります。
- 什器等を含め、事務スペースがわかるような写真を1枚以上撮影しましょう。
- 接客スペースがわかるような写真を1枚以上撮影しましょう。
以上のように、営業所内部の写真は少なくとも6枚になります。
営業所調査をしなくても写真から営業所の実態がわかるように撮影しましょう。撮影日を写真の貼り付け用紙等に記載しますが、申請日から3か月以内に撮ったものが有効です。
これらの写真は、申請書類と同じA4サイズの紙に貼り付けて提出してもいいですし、Word等でA4用紙に収まるように何枚かずつレイアウトしてプリントアウトしたものを提出してもいいです。どちらの場合も撮影日を忘れずに入れておきましょう。
印鑑証明書の写し
今回のパターンの場合は、事業主の方の印鑑証明書を取ります。実印登録はしてありますよね?
書類の集め方|印鑑証明書がコンビニでも発行できる!
申請の時には、写しを提出するので原本は必要ありません。忘れずにコピーをしておきましょう。
申請書類の中に住所を記入するところがありますが、この印鑑証明書に住所が載っているので、それをよく見て記入しましょう。
事業所に1級、2級等の国家資格者が在籍している場合(専任技術者になる者は除く)
従業員の中に国家資格者がいる場合はその人が専技になると思いますので、今回説明しているパターンの場合はあてはまる人がいる可能性は低いですが、もしそのような従業員がいる場合には、その人の資格証明書の原本を用意しましょう。
窓口で原本提示して写しを提出します。
残高証明書または融資証明書
これはすべての人が出さなければならない書類ではありません。
個人事業主の場合、申請時直前の所得税の確定申告において65万円の青色申告特別控除の適用を受けていて、申請時直前の確定申告書に添付した貸借対照表により、自己資本の額(純資産の合計額)が500万円以上あるのなら、残高証明書や融資証明書は必要ありません。
それ以外の場合には、500万円以上の残高証明書または融資証明書が必要になります。
複数の金融機関を利用している場合でも同一残高日のものであれば、合算して500万円以上になれば大丈夫です。
この書類については、有効期間が申請日より1か月以内に発行されたものになりますので、取るタイミングに気をつけましょう。
証紙代9万円
これは書類ではありませんが、窓口に申請に行ったときに無事受理されることになったらその場で9万円分の静岡県収入証紙を貼ります。
現金を持っていないと買えませんので、9万円を用意しておきましょう。
絶対に一度で受理される自信がある、というなら窓口に行く前に買って行ってもいいでしょう。
不安な場合は、窓口で書類を確認してもらって受理してもらえることが確定してから買うこともできます。
証紙は、県庁本館1階売店で販売されています。
まとめ
いかがでしたか。
書類は、かなり膨大な量だとお分かりいただけましたでしょうか。
なるべくスムーズに集めることができるようにくわしく説明しましたので、ご参考になさってください。
ただ、これで終わりではなく、申請書類も作らなければ申請できません。書類が集めができたなら申請までもうすぐです。あきらめずがんばってください。